【UKロック史①】
現代、そして世界のロックバンドに大きな影響を与えた60年代のイギリス音楽。
Music of the United Kingdom in 1960s
60年代に発展したイギリスの音楽は、現在世界でポピュラーな音楽スタイルの形成へと導いた。アメリカ音楽に影響を受けたミュージシャン達がビート・ミュージック(ロックンロールにアフリカン・アメリカン音楽の一つであるR&B / Doo-wop、アメリカン・フォークなどが融合したスタイル。特にイギリスのリバプールにたくさんのグループがいた。)や、ブリティッシュ・ブルースといったジャンルを生み出し、逆輸入するようにアメリカに伝わると瞬く間にその人気が広まり、British Invasion (ブリティッシュ・インベーション)と呼ばれた。その後の20世紀のポップスやロックミュージックに多大な影響を与えた。
(参考: https://en.wikipedia.org/wiki/Music_of_the_United_Kingdom_(1960s))
この時代に流行した音楽ジャンル Beat music / British blues / Folk rock / British psychedelia etc. 代表する3組 British invasion & Beat music Psychedelic Rock & Blues Rock |
代表する3組
The Beatles
イギリスの港町リバプールで誕生したビートルズは、1962年10月5日に「ラヴ・ミー・ドゥ」でデビューしてから1970年に解散。メンバーはジョン・レノン(リズム・ギター)、ポール・マッカートニー(ベース)、ジョージ・ハリスン(リード・ギター)、リンゴ・スター(ドラム)。活動期間中に公式発表された210曲のうち、オリジナル作品の圧倒的な数をジョンとポールが作曲。中期以降はジョージも加わった3人のソングライターが活躍した。
The Rolling Stones
1962年、ロンドンで結成。「サティスファクション」「黒くぬれ」「夜をぶっ飛ばせ」等、ブルース/R&Bに根差したワイルドなサウンドと不良っぽいイメージで、ビートルズに対抗する世界的なバンドとなる。1968年の「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」以降は、よりルーツに根差した泥臭いサウンドを展開。翌年にジョーンズが脱退、ミック・テイラーが加わると、2本のギター・アンサンブルを軸とするルーズでヒップな”ストーンズ風R&R”を確立。
The Kinks
1962年、レイとデイヴのデイヴィス兄弟を中心に英国ロンドンで結成され、64年にデビュー。「ユー・リアリー・ガット・ミー」のヒットで人気ロック・バンドの仲間入りを果たす。60年代中盤からコンセプチュアルなアルバム作りを行い数々の傑作を生む。その後もレイのシニカルでユーモアに満ちた視点で描かれる詞と独特のビート感覚を持つサウンドで存在感を示し、最も英国らしいバンドのひとつとして活躍中。
British invasion / Beat music
The Hollies
グラハム・ナッシュとアラン・クラークを中心とするブリティッシュ・ポップ・グループ。1964年にデビュー、美しいメロディとハーモニーを武器に、「ステイ」や「バス・ストップ」など、60年代に多数のヒット曲を生み出している。67年には『エヴォリューション』と『バタフライ』という名作をリリースしたが、これを最後にナッシュが脱退。70年代後半以降は地道にライヴを行なう活動となったものの、2006年には23年ぶりにアルバム『ステイン・パワー』を発表した。
The Animals
イギリスのニューキャッスルで結成。ビートルズなどと共に世界的に人気を博した。アメリカでは、いわゆるブリティッシュ・インベイジョンの代表格のひとつと見なされている。アメリカのブルースに根ざした作風が特徴的で、ロックシーンにも多大な影響をもたらしたバンドである。60年代後半には、サイケデリック・ロック的な作品も発表した。
The Zombies
1960年代初頭英国シーンに突如出現してヒットを連発した才気煥発グループ。コリン・ブランストーン(vo)、ロッド・アージェント(key)を中心に62年頃にロンドン郊外で結成され、64年発表のデビュー曲「シーズ・ノット・ゼア」がいきなり全米2位の大ヒット。甘いメロディと凝ったキーボード編曲で練られた楽曲が、次々に全米全英チャートを上昇した。68年、サイケな作風に走った最終アルバムを残して解散。2004年にアージェントはコリンとのデュオとして活動再開。
Psychedelic Rock & Blues Rock
Cream
ベーシスト兼ボーカリストのジャック・ブルースとギタリスト兼ボーカリストのエリック・クラプトン、ドラマーのジンジャー・ベイカーから構成され、しばしばスーパーグループの一つに数えられる。ブルースとハードロック、サイケデリック・ロックを融合させたサウンドが特徴。世界でのアルバム売上は3,500万枚以上に及び、『Wheels of Fire』は世界初のプラチナアルバムを獲得した2枚組のアルバムとなった。
Fleetwood Mac
イギリスにおけるブルーズ・ブームの立役者となったのがこのピーター・グリーン率いるフリートウッド・マック。”ジョン・メイオールズ・ブルースブレイカーズ”を脱退し自らのバンドを結成。ミック・フリートウッドとジョン・マクヴィーを要し3人の名前を取って”PETER GREEN’S FLEETWOOD MAC”とそのバンド名を名付ける。(後にFLEETWOODMACに改名)1970年に入るとピーター・グリーンがバンドの成功による重圧とLSDに溺れてしまい その精神を病んでしまった為にバンドを脱退。後にスティーヴィー・ニックス、リンジー・バッキンガム他を迎え、サウンドもポップ路線に変更し、「噂」他記録的な大ヒットアルバムをリリースしあのギネスにも認定される最大のヒット・バンドへと変貌を遂げた。
Procol Harum
クラシックやブルースの要素と積極的に取り入れた英国のロック・バンドとして60~70年代に活躍。前身のバンド、パラマウンツを経て、67年にヴォーカル/作曲のゲイリー・ブルッカーと詩人のキース・リードを中心に結成。デビュー曲「青い影(A Whiter Shade of Pale)」がいきなり世界的なヒットとなり、一気にブレイクを果たす。その後77年に一度解散するも、91年に再結成し、メンバー・チェンジを繰り返しながら現在に至るまで精力的な活動を続けている。
T.Rex
グラム・ロック・ムーヴメントを代表する存在だったT・レックス。やや通向けな音楽性を持ったマーク・ボラン率いるグループは“ゲット・イット・オン”などに代表されるブギー~シンプルなロックンロール調のポップ・ソングをプレイするようなエレクトリック・バンドへと変貌を遂げ、またそのきらびやかな衣装や化粧を施したグラマラスなルックスで一世を風靡し、人気者となった。
The Shadows
シャドウズはエルヴィス・プレスリー、クリフ・リチャードに次いでイギリスのヒットチャートで3番目に成功したグループである。また、ビートルズ登場以前から早くも4ピースのバンド編成を確立したパイオニアであり、大西洋を挟んでアメリカのベンチャーズと対峙する存在でもあった。ジョン・レノンはタイムズのインタビューにおいて「シャドウズが登場するまで、イギリスには聴く価値のある音楽はなかった。」と述べている。
The Yardbirds
1960年代英国バンドの中でも、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジの三大ギタリストを輩出したことで知られるスーパー・バンド。結成は63年。初期クラプトン在籍時にはブルース・ロック色が強かったが、ベック時代にはポップ色が強まって「フォー・ユア・ラヴ」のヒットが生まれる。ペイジ加入によりサイケ色が強まり始めたところで68年解散。ペイジはニュー・ヤードバーズ=レッド・ツェッペリンの結成へ至る。
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