海外で路上ライブをしてみよう!(in ロンドン)
海外の路上パフォーマンス
海外では路上でパフォーマンスをすることを”Busking”(バスキング)といい、パフォーマーのことを”Busker”(バスカー)といいます。
路上ミュージシャンだけでなく、サーカス、ダンス、マジック、living statues(動く銅像)などのパフォーマンスもBuskerに入ります。
またパフォーマンスの規模の大きさにより、3つのカテゴリにわかれます。
1.Shows(サーカスなど)
- 大勢の観客
- 一回のパフォーマンスの時間が10~60分と長め
- 大きめの音量
2.Music(ミュージシャン)
- 少なめの観客
- 一回のパフォーマンスが数分
- 控えめの音量
3.Walk-by(living statues、ライター、ジャグラーなど)
- 少なめの観客
- 控えめの音量、または無音
ロンドンでの路上ライブは許可が必要?
ロンドンで演奏できる場所はたくさんありますが、ライセンス(許可)の申請が必要な場所、そうでない場所、パフォーマンスの種類によって決められた場所など規則があります。
Busk in LondonのFAQには次のように書かれています。
Do I need a busking licence?
In short, busking is legal on public land and you don’t need a licence. Exceptions to this rule in London are:
– You need a licence to busk in the London Borough of Camden if you are using music in your act
– You cannot collect money in the City of London (the financial district known as the ‘Square Mile’)
– Any type of act needs a licence to perform in Uxbridge Town CentrePrivate landowners can impose their own rules. Here are some notable ones:
– The London Underground busking scheme requires all performers to have a licence
– The Southbank Centre Busking Scheme (between the London Eye and Hungerford Bridge) requires a permits
– Covent Garden is a mixture of public and private land
基本的にはライセンスはいらない。ただし、以下の場所では条件がことなる:
- London Borough of Camden(カムデン・ロンドン特別区)での路上ライブはライセンスが必要
- スクエア・マイル地域でチップを集めるのはダメ
- Uxbridgeの中心地での路上ライブはライセンスが必要
- 私有地は、オーナーのルールに従う
- ロンドンの地下鉄構内でのパフォーマンスはライセンスが必要
- London Eye から Hungerford Bridgeまでの場所はThe Southbank Centre Busking Schemeを通して許可が必要
- Covent Gardenは私有地と公用地が入り混じるので注意すること
路上ライブができる場所
地下鉄の構内
ロンドンの地下鉄のことをUnderground (アンダーグラウンド)といいますが、その電車のかたちから、人々にはTube(チューブ)と呼ばれています。
地下鉄構内でのBuskingはロンドン交通局(Transport for London / TFL)が管理をしており、オーディションによって選ばれたミュージシャンだけが、専用の”Busking Pitch” (パフォーマンス用のスポット)で演奏することができます。
- Pitch(ピッチ)の数:35カ所
- Performance slots(出演枠):一週間に1,800枠~
The London Underground (LU) Busking Scheme
世界的にも有名なこのロンドン地下鉄バスキング・スキーム。ここで演奏できるようになると注目が集まり、中にはレコーディングやイベントに引っぱりだこになるミュージシャンもいるそう。
Ed Sheeran、Jessie J、Bob Geldof、Katherine Jenkins といった人気ミュージシャンもここから世に出てきたとか。
このスキームでの演奏権を得るにはオーディションに参加し、ライセンスを獲得しないといけません。
しかしオーディションの開催が定期的に行われているかどうかはっきりしないため、常にアンテナを張っておく必要があります。
2015年に開催されたオーディションの応募条件は以下のような感じでした。
- 年齢16歳以上
- ソロまたはデュオのみ
- イギリス在住者(ワーキングホリデー、留学生なども含まれます。)
- EU/EEA(欧州経済領域)以外の国の出身者は、イギリスでの就労が認められている者に限る
- すべての出演者は身分証明書を提示すること。
- 最近のパフォーマンスが見れるYouTube か Vimeoの動画リンクを提出すること。
- ソーシャルメディアのリンクを含む、アーティストの紹介文を提出すること。
Network Rail Station Circuit(鉄道の駅)
こちらは新しくBusk in Londonとイギリスの鉄道施設管理業者Network Railがチームアップしてつくったスキーム。
London Bridge 駅のような鉄道の駅に路上ライブ用のピッチを用意するそう。
応募方法
- 年齢14歳以上
- イギリス在住者(ワーキングホリデー、留学生なども含まれます。)
- Busk in Londonに登録すること
- EU/EEA(欧州経済領域)以外の国の出身者は、イギリスでの就労が認められている者に限る
- すべての応募者は身分証明書を提示すること。
- 最近のパフォーマンスが見れるYouTube か Vimeoの動画リンクを提出すること。
- ソーシャルメディアのリンクを含む、アーティストの紹介文を提出すること。
応募はこちらから→http://buskinlondon.com/networkrail
Unlicensed / Open Pitches(許可のいらない場所)
ロンドン中心地は、ライセンスを必要としないピッチがあります。
ピッチごとに利用できる時間帯、出演方法などが違うので、出演したいエリアが決まったらBusk in LondonのサイトのBusking Mapで情報をチェックしましょう。
- Leicester Square Pitch 1
- Leicester Square Pitch 2
- North Terrace Trafalgar Square Pitch 4
- Strand – Zimbabwe House
- Southwark Pitch 3
その他 London boroughs (ロンドン特別区)での路上ライブ
その他の場所では区(カウンシル)ごとに路上ライブのルールを設けています。
カウンシルのホームページで事前にチェックしましょう。
パンクロックの街として有名、路上ミュージシャンにも人気のカムデンはライセンスが必要です。
‘Standard’と’Special’の2種類のライセンスがあります。オーディションは無いけど申請料が必要。(£19 / £47)
申請すると、12ヵ月有効のカードタイプの写真付き許可証が発行されます。
海外の路上ライブは稼げるの?
ギターケースにコインを入れてもらうというより、自作のCDの販売やライブの告知に力を入れているミュージシャンが多くみられる現代の日本での路上ライブ事情。
だけどチップ文化が浸透している国では、生活の為に路上ライブをしている人も少なくない様子。
(もちろん路上ライブで得たお金だけで生活するのは大変なことですが。)
私がオーストラリアのメルボルンで路上ライブをしていたときは、コンスタントに2時間で40ドルぐらい稼ぐことができました。
当時のオーストラリアのアルバイトの平均時給は15~18ドル(ジャパレスとかだともっと低い。。。)なので、時給換算するとアルバイトのお給料よりも高いことになります。
とっても気前のよいお兄さんが100ドル札入れてくれたことも!
ところが、ロンドンで路上ライブをやった時は、オーストラリアでやってた時に比べて、あまりチップがもらえませんでした。
ハイド・パークでやった時は2時間で£18程とまぁまぁでしたが、コベント・ガーデン近くのSeven Dials(アパレルショップが立ち並ぶエリア)でやった時は2時間でなんとたったの£2.40ほど。
ロンドンは広く、自分の音楽スタイルに合ったスポットを探すのが少し難しいかもしれません。
イギリスは他のヨーロッパから出稼ぎに来ている人もいるので、そういった近年のヨーロッパの情勢を考えると、気前よくチップをくれる人はあまりいないのかも?と思ったり。
曜日や時間帯選びも大きく左右すると思います。人気のカムデンタウンも、平日だと人通りが少ないけど、週末はものすごい人であふれてます。
もちろんパフォーマンスそのもの(誰が聴いても聴き惚れてしまう歌声とか、何か人とは違った面白いパフォーマンスとか)も大きく影響するとは思いますが。。。
まとめ
いろんな国の人が集まり、エンターテイメントの中心地でもあるイギリスのロンドン。ミュージシャンも様々です。何かおもしろい発見、新しい出会いがあるかもしれません。
この記事にたどり着いた人はきっと海外の音楽シーンや、自分の音楽を広く発信していくことに興味がある人だと思います。
日本らしいユニークな音楽をやっている人も、洋楽に影響を受けている人も、どこにチャンスが転がっているかもしれないので、機会があればぜひ海外でも披露して欲しいと思います。
日本にいる人ミュージシャンにとっては、なかなか楽器を持って海外に行く機会もないと思いますが、なにか思い切ったことをしてみたくなった時にこの記事を思い出してもらえたらと思います!
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